「耳をすませば」の原作を読んだ

まずは僕の「耳をすませば」の思い出から書いていこうと思う。

僕が「耳をすませば」を最初に知ったのは、映画「耳をすませば」のテレビCMからです。もちろん実写のじゃなくアニメのほうです。

「好きな人が出来ました」ってセリフと共に雫が誠司の自転車に乗ってるシーン。あのシーンの作画が凄く綺麗で物凄く感動した記憶がある。

で、映画を見ることになるんですが、公開された1995年当時僕は高校1年でしたが、婆ちゃんちの近くの田舎の映画館だったからなのか、そういう時代だったのかわかりませんが、一旦映画館に入場すると映画見放題の映画館で、まず「トイレの花子さん」を見て、その後に「ポカホンタス」を見て、最後に「耳をすませば」を見ました。

その時は、「耳をすませば」はあんまりおもしろくないと感じて「ポカホンタス」の方がおもしろかったと思いました。

しかし、年が経つにつれて「耳をすませば」に魅力を感じるようになっていき好きになっていきました。

そして44歳なった今は大好きな作品になっています。

この作品の魅力はシンプルな恋愛ストーリーと日常描写にあるのではないかと思います。

何気ない日常のシーンが細かく描かれている。

それは本当の日常シーンと比べたら違う部分もあるんだけど、アニメとしてディフォルメされることにより、返って実写よりもリアルな日常シーンになっているんじゃないかと。

たとえば雨の日のシーンとかも、あの雨の日の空気感というのは実写では出せないんじゃないかと思います。

で、あの純粋でベタでシンプルなストーリーがいいんじゃないかと思います。

あと要所要所で流れる音楽がまたこの作品の魅力をさらに高めているように思います。音楽の効果もかなり大きいように思います。

で、今回初めて原作のマンガを読みました。

全然話が違うって思いました。

今回読んだのは「耳をすませば (集英社文庫(コミック版))」ですが、「耳をすませば」と続編「耳をすませば〜幸せな時間」と巻末に鈴木敏夫による解説、映画パンフに収録されていたという映画「耳をすませば」の近藤喜文監督と原作者の柊あおいさんの対談、そして、原作者によるあとがきが収録されていたんですが、まずは解説から

これはネットで検索してどこかで読んだことのある話なんですが、宮崎駿鈴木敏夫らが夏休みに宮崎駿の義理の父親のアトリエに行き、山奥で何もすることもなくて暇で、アトリエは宮崎家の別荘みたいに使われており姪が置いていったと思われる古い「りぼん」があったのでそれを駿さんが読み、「耳をすませば」の途中の回を読んで前後の話をああじゃないかこうじゃないかと想像したりしてたらしい。でそれを映画化しようとなって原作者に打診して映画化することになったらしい。

映画のストーリーは駿さんが最初に想像した話にしたいと原作者に頼み了承されて大幅な内容変更での映画化となったらしい。

解説の後の近藤監督と原作者柊さんの対談の中で、少女漫画である原作では映画の内容は読者層的に描けなかったみたいな話があって、読者層で内容に制限が出来たりするんだなと思ったりした当然な話ではあるが。

あと元々この原作漫画はあまり読者に受けず、すぐに打ち切りになり、当初は原作者的には長編でやるつもりが4話でなんとかまとめないといけなくなったらしい。

そんな不人気作が宮崎駿の目に止まり、今や日本人なら誰もが知る超有名タイトルになるんだから世の中わからない。

原作もとてもおもしろいとは思うんだけど、やはり先に映画を見たからというのもあるんだろうが映画のほうがストーリーの完成度も高いと思います。

ただ、過去に不人気で打ち切られた作品の中にも、もしかしたら、構成をしなおしたりしたら化ける作品もあるのかもしれませんね。

次は映画「猫の恩返し」を見て原作の「バロン―猫の男爵」を読んでみようかなって思ったりしてます。

実写映画の「耳をすませば」は見るの怖いなw